これにて。15。

 
続き。

 
ほんとに現代は便利な世の中になったと思います。図書館に行かなくてもよくなった。昔は市の図書館に行って調べものをしたりしたものです。今はネットというものがすべてを教えてくれる。

でも、わたしはその時、その”rhythm “という文字を見ながら、なぜかすぐには調べなかった。
自分でもよくわからない。それまではこのランプのことを調べまくり、そして日本橋まで行き、本物とも対面し、勝手に仮説を立て、頭の中の妄想と目の前の大きな本物と手の中のランプがわたしを果てしない旅に連れて行ってくれたのを楽しんだ。

それで充分だったのかもしれません。

そのまま、止まった時計を元の位置に戻し、そのアンバーな灯りと動かない時計の静寂に包まれ、小さな幸せを感じていました。

それから一週間ほど経ったころ、家人様からわたしは頼まれ事をされたのです。「これ、止まったから直して!」

“これ”とは30年ほど前のアンティークの腕時計なのです。黄色に近い金色のもの。お気に入りなのです。昔あったルナ. マティーノという男性衣装ブランドをご存知でしょうか。30数年前、TV画面の中、海から傘をさして登場したときに着ていた黒いジャケットと言えばおわかりのかたもいらっしゃると思います。そのジャケットのデザイナーの先生からいただいたアンティーク時計でした。それをずっと大事にしているのでした。が、、

時々止まるのです(笑)。修理の連絡をいつものように顔なじみの時計店にしてみる。このわたしの止まっているランプの時計の事情も話してみたのです。もし、このタイミングで頼まれなかったら、わたしはそのままにしていたかもしれませんね。そんな、わけで、

2個の時計をそれぞれエアパッキングで包み、送り出したあと、わたしは自然と”Rhythm “を調べていました。時計を送り出したことで、止まっていた感情が再び動きだしたのかもしれませんね。
“Rhythm “それはれっきとした大きな時計会社でした。
1950年創業、今年で70周年を迎える、日本の時計会社。わたしは日本においてはSEIKOかCITIZENしか知らなかったのでこれも驚きでした。

創業70周年か、、、

その事で、わたしの仮説1はないんだとわかった瞬間でした。仮説1は明治44年日本橋が完成した記念という説だったからです。

調べるってこういうことなんですね。判明することの楽しさと判明していくことの寂しさ。隣り合わせ。

 
結局、時計店の主からは、直るか直らないかわからないと言われながらも送りだし、、また同時にこの”Rhythm “のHPに問い合わせという項目があるのを見つけ、いちかばちか、問い合わせをしたのが3日前です。
 
いま、時計を外したこのランプは、いつもと変わらず深い色を醸し出しています。

時計なんか動かなくてよいんです。ひょっとしたら”謂われ”なんてわからなくてもよいと思ってるのかもしれませんね。

その方がロマンがあるもの。(^-^)/  いま、目の前にある時計の無いこのランプはまさに、日本橋の道路元標と同じ形です。アンバーな灯りを見ているとそんな気がしています。(^-^)

この先、また何か起きたら、”おまけ”として報告します。

 
本当に長い間ありがとうございました。まるで時が止まったような悠久の旅でした。あ、ほんとに”時”止まってましたからね。(笑)(^-^)/

 
まもなくクリスマスですね。手洗いうがいマスクは厳重にしてくださいね。

どうぞ、みなさんの心に明るく元気なサンタが来ますように、、、🎅

長い間、わたしの好奇心を追いかけた旅に付き合ってくださり、本当にありがとうございました。

 
ちょっと寂しいけど、うん、これにて、ひとまず

 
完。

 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
どうです。日本橋の道路元標と同じでしょ!

 
 
 
 
 
 
 

18 件のコメント

  • かつひろ より:
    ドラマや映画を観ているような感覚で、とても楽しめました😊 調べてみると奥が深いですね✨
  • 佐藤正啓(まさあき) より:
    ルナ・マティーノと言えばJEEPTourのビデオで剛さんが矢島賢さんの胸をさっすってるシーンを思い出します!岡沢章さんが剛さんに「Golf」買ってくれるってのシーンもバンドメンバーの笑顔も凄く良いです。剛さんも物持ちがいいんですね。沢山大事にしている物があるんでしょうね⌚🎸ひとつのストーリーが終わるの寂しいけど、また、何かあったらお願いします。楽しみにしています😊
  • 北の政 より:
    楽しかったです!
    ありがとうございました。
    好奇心と向上心で100まで元気な生きたいです。
  • より:
    ハラハラ、ドキドキと楽しく拝見させて頂きました、
    時計修理出来たら、良いですね!

    時計を外しても、立派にバッチリ決まってますね!

    家人様の黄色に近い金色の時計とは、「とんぼ」「オルゴール」で着用されていた時計ですかね?(^_^)
  • s より:
    アンティークのランプと向き合っている時に、時計修理の依頼という最終話。
    始めから 全てが 導かれるように、繋がっていますね。。。
    なんとも 不思議な 時間を超えたお話を ランプの灯りの中で えっちゃんに語ってもらえて、楽しかったです。
  • 丸山チェ子 より:
    おはようございます☀
    長いお話ありがとうございました!始めは何の話しだったのか忘れかけています
    お疲れ様です
    今朝は冷え込みました!コタツから離れられません
    皆さん良いお年を迎えて下さい
  • 流れ星 より:
    悦子さんのランプの旅、とても楽しめました💡何かをきっかけに、時代を逆上って色々考えを巡らせるのも小さな幸せですね😊悦子さんの長い間お世話になりました、って、淋しい~💦まだまだブログは続くのですから(笑)素敵な物語、ありがとうございました😊
  • 大槌人 より:
    長編小説のようなブログだったので、時間がある時にゆっくりと見ようと楽しみしておりました。
    今日、町の健康診断の為、待ち時間が出来たのでゆっくりと一気読みさせていただきました。
    アンティークというものだからこそ奥が深いのでしょうね。悦子さんのアンテナも凄いし…興味を持つという事は色々と知る事が出来て楽しいですよね!
    私も東京市、興味深々ですー!
  • haru より:
    時を駆ける 悦子さん☺️
  • スミ より:
    時計を外したランプの立姿もシュッとしていて素敵ですね✨家人様のアンティーク時計と共に修理に出されたのですね…😊タイミングよくて✨絶対!導かれていますね✨もし戻ってきた時計からメロディーとかハトとか出ちゃったら!🤣なんてさらに妄想してますが。オマケ編楽しみに待ってま〜す✨そして仮説1が無くなった訳ですね…。ロマンに浸りたい💕けれど知りたい☺️ほんとに、今の時代は直ぐに調べられて、フワッとした余韻のまま…がなくなり、モヤモヤした謎はすぐ!はい解決!ってなりますね。けれどもこのランプはアンティークならではの手ごわさでしたね(^^)こんなにドキドキワクワク💓勉強もさせて頂きました💕なんと言っても悦子さんの書かれる文章が…毎回引き込まれて✨🤣いつか、エッセイ出して下さい(笑)
  • さゆり より:
    アンティーク時計を巡る旅も
    とうとう終着駅へ到着なんですね。
    なんだか寂しいな~
    2021年まで持ち越しでも良かったのに(笑)

    巡り合わせとは不思議ですね。
    また、これほどまでに興味をそそる物は
    なかなか無いと思います。
    お忙しい中
    ワクワクな旅へ連れていってくださって
    ありがとうございました。
  • 佳世 より:
    もう、これはロマンですね😆
    現代と過去を行き来して色々と想像したりして本当に楽しかったです!
    だけど、悦ちゃん!
    アラーム⏰が付いてるって事は音も鳴る可能性もあるえる?
    な~んて、また気になる事を想像してしまった(笑)

    もし、時計が直ったら続編で教えてくだせぇ😁
  • 木崎洋子より より:
    悦子さん、今晩は、
    きょうは、寒さも、少し和らいだですかね。💐

    これにて、15、終了ですね。
    素敵な物語り、ありの、
    不思議発見、多々のランプ、
    悦子さんに、出会えるべき、ランプだったのかもですね
    沢山のお話し、有り難う御座いました。

    まだまだ、続くコロナ、
    充分お気をつけて。💐
  • tonton より:
    「完」!
    一台のアンティークランプから、こんなに話を拡げることできるとは、さすが悦子さん。
    お陰様で、私の記憶から完全に消えていたRhythmという言葉、時計、を思い出しました。あーー懐かしかった。
    残念ながら私が一票投じた仮説1は外れでしたけどね。
  • Hiroko より:
    全編楽しく、また興味深く、引き込まれるように読みました!
    どなたかも書いていらっしゃいましたが、えっちゃん、ぜひエッセイ出してください!絶対に買いま~す😆
  • よーぽん より:
    アンティーク物語、ついに完📕
    悦子さんの目線をお借りして、一つひとつ、えっ?何なに?どういう事?どうなるの?と興味をひかれながら読ませて頂いてとっても楽しかったです。
    そして、色々勉強になりました。探究心って大事ですね。
    最後、剛さんのアンティーク時計と一緒にお店へというのもまた、運命的で凄いですね!!
    傘をさして海から…はい、わかります‼︎
    私がびりびり痺れた、今も痺れている、あの英二さんが使っていた金の時計ですね!!
    優しい灯り、心が暖まりますね。また時計が帰ってくるのも楽しみですね。
  • レレちゃん より:
    叩き鍛えあげられた昔のスチール。不純物が少なく
    異彩を放ち重たく錆びにくい。今のものとはまるで
    別ものだと熟練工の上司が言ってました❗️
    あの方を見ているような感じもしてきます😆
    読むべきを読み見るべきを見たらどこかで登場して
    ほしいです。知る人ぞ知るランプ
  • いちファンのk より:
    ブランドに疎くて…。
    ルナマティーノ、調べたら剛さんが着てたような服出てきました😆

流れ星 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)
記事の内容にそぐわないコメントやプライベートに関わるコメントなどは掲載をご遠慮させていただく場合がございます。何卒ご了承くださいませ(ブログ運営事務局)