二千。


 

二本松に、移動した浪江町役場を訪れるのは初めてだった。

高台にあり。そこから見える景色と広々とした敷地からは

夏の香りがしていた。


生活支援課課長、清水さんが

元気に招き入れてくださった。



かつて

あのあと、

一緒に防護服を着て

立ち入り禁止区域となった浪江町の駅前を歩いたときの記憶が

一瞬にしてよみがえった。


雪の降る浪江町の駅前。

かつては

繁華街として栄えた町並み。


椿の赤い花がその一面の白い世界の中で

見事に咲いていた。

たとえ、その美しさを見る人が、

ひとっこひとりいなくとも見事に咲いていた

のを鮮明に覚えている。


町の寂漠感に抗うように、真っ赤な椿が咲き誇っていた。





馬場町長さんが

ぽつりと言われた。「あれから

5年5ヶ月なんです。

でも

5年5ヶ月というより



まもなくわたしたちは

2000日を向かえるのですよ。

2000日!二千日!



とてつもない年月に感じますね……」







町長さんの机の横の壁には

大きなカレンダーがあった。

そこには毎日

4桁の数字が並び、ひとつずつ増えている……



8月30日に刻まれていた数字!

それが2000だった。



苦悩と憔悴と逃避の連続の中、

明日への希望を見いだし奔走した日にちでもある。



ずらりと廊下に並んだ

ひまわりの数もほぼ2000。

偶然といえど不思議な感慨が襲った。



あのときに見た浪江の椿の真っ赤に負けないぐらい

わたしたちのひまわりは

燦然と希望という色を放っていた。

それは

わたしたちの

願いだから。



これから

約10ヶ所に点在されている役場に配られるとのこと。



しっかと届けることが出来ました。



1470036454821 1470036455144 1470036455497 1470039395939

 

6 件のコメント

  • 生稲 勇 より:
    千葉で育ったひまわりたちが
    浪江町に届いたんですね。
    この中の何本かは自分が刈り取ったものだと思うと
    少しでもお役に立てたのかと嬉しく思います。
    長時間の移動お疲れ様でした。
    冷えた車で風邪などひかれませんように。
  • たま より:
    悦子さん、無事にひまわりが届いたようで嬉しいです!私は種まきに参加させていただいて、刈り取りも絶対!参加する予定でした。
    しかし疲れでしょうか目眩が止まらなくなり、刈り取りに行けず悔しかったです!
    元気に咲くひまわりを見て、少しずつ回復し明日から復帰します。ずっと健康で病欠したことがなかったので、
    健康のありがたみがよく分かりました。
    また来年も同じプロジェクトして頂きたい!
    そして刈り取りの幸せを味わいたいです。
    種まきで悦子さんの笑顔に触れることが出来て、本当に良かったです。ありがとうございました。
  • YUMIKO より:
    たくさんのレポート、写真ありがとうございます。
    何時も悦子さんの行動力、情熱、そして愛情に脱帽するばかりです。
    [カモメ]唄が浮かびました。2000日、1日1日の重さを感じます。
    人間の底知れない強さですね。2000本のひまわり!不思議なものを感じました。
    少しくらいの事に負けず、私も頑張らなくちゃ!って思いました。
  • ふみこ より:
    悦ちゃんのパワーに脱帽です!団結したみんなの愛に、ただただ感動の!涙、涙 です。
  • さゆり より:
    悦子さん、お疲れさまです。

    他人任せにせず、自ら動く!動く!動く!
    やっぱり悦子さんは凄いヽ〔゚Д゚〕丿です。

    ひまわりプロジェクトに関わった
    皆さんの愛が沢山の方達の笑顔に繋がる事でしょう。
  • いちファンのK より:
    2000日、2000本偶然ですね。
    被災地で絶対パワーになってると思います。
    悦子さん上着もひまわり色で訪問されたんですね(^^)

ふみこ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)
記事の内容にそぐわないコメントやプライベートに関わるコメントなどは掲載をご遠慮させていただく場合がございます。何卒ご了承くださいませ(ブログ運営事務局)